偏見

ここ1ヶ月半ほど、通勤中に情報試験対策の参考書を読んでいたのだけど、
さすがにいい加減飽きてきたので気分転換に「99.9%は仮説」という本を購入して読んでみました。


思えば、小説とか買って読むことは多いんだけど、
こういった教養系の読み物って初めて買ったなぁ。まぁ、どうでもいいけど。


内容的には、常識や思い込みにとらわれずに物事を考える手法およびその重要性を、
科学史などを引き合いに出しつつ、説いてくれるというもので。
有名なところでは当時の常識を覆す「地動説」を唱えたコペルニクスのエピソードとか。


とりあえず一通り読んでみて、今当たり前だと自分が思ってることって
全部思い込みに過ぎないんだって思わされました。


例えば世界一人口の多い国といえば中国、というのは常識です。
だって、学校でそう習ったし、誰に聞いてもそう答えが返ってくる。
だけど、それってホント?誰かが正確に全員の数を数えたの?
中国が発表してる数字を鵜呑みにしてるだけではないの?
出生届出してない子ども含めたらインドの方が多かったりするんじゃないの?
そもそも、日本国家による情報操作で騙されてるだけなんじゃないの?


と、このように(突拍子もない仮説を含め)いくらでも疑いの余地はあるのです。
まぁ、このケースの場合、中国が総人口世界一と信じてしまっても
何も不都合がないので、それを常識として処理してしまえばいいのですが。
日常においてもそういった思い込みはいくらでもあるのです。


たとえば、誰かと会話をしていてどうも話がかみ合わない、
そんな経験はよくある話だと思います。
それはお互いの中にある思い込みが異なるから。
言い換えれば話の前提が違うのです。
だから、人と話をする際はこの前提を正しく共有することが大切。
まぁ、それが簡単にできれば苦労はしないのですがね・・・(ぉ


そんでもって前提が異なるときにありがちなのは、
どちらかの前提が正しくてどちらかが誤っていると思い込むこと。
これも間違いなんですね。お互いの前提がそれぞれ正しいことだってある。
それは物事が多面性を持っているから。
物事を見る視点によって見え方が変わってくるのです。
見え方が変わったところでどちらも正しいのです。


また適当に例をあげると、
アンパンマンバイキンマンをこらしめる正義の味方でありながら、
最終的に暴力でしか物事を解決できない非平和主義者なのです。
聖帝サウザーは冷酷な暴虐君主でありながら、
だれよりも愛を深く知る哀しき伝承者なのです。
(↑今日、北斗の拳を立ち読みしてきた影響(ぉ)


まぁ、要するに物事の一面を見ただけで全てを理解した気になるなってことですね。
特に誰かの人格を自分の中で勝手に決め付けちゃうのはマズイと思った。
あくまで「この人はこういう一面も持っているんだ」ぐらいに思うのがよいのね。


とりあえず内容的には面白かったので、買って満足した一冊です。
でも、小説に比べると半分以下の時間で読み終えてしまうから物足りないなぁ。(ぉ