後半

16:30 延々(33.5km地点)
摩耶山を出発し、1時間半かけて六甲山入り口の記念碑台に到着。
最大の難所を越えたということもあり、多少のアップダウンはあれど息が上がるようなことはなくなった。
しかし、足の痛みは一向に収まることが無く、時々足を止めては自分でマッサージ。
こうでもしておかないと、必ずどこかで足を攣ると思った。
実際、立ち止まるだけでも足が痙攣を起こして震えている。
あと、何時間歩けばいいんだ・・・


17:00 葛藤(35.5km地点)
六甲山最高峰地点に到着。
そしてそこにはロープウェイの駅が。
この駅がリタイア可能な最後のポイントになるらしい。
これ以降はすべて下山不可能な山道。
次のチェックポイントは4km先。
チェックポイント通過タイムリミットまで残り90分。
ここで一度、腰を下ろして小休止を摂る。


『この痛んだ足で制限時間に間に合うのだろうか・・・』
「さっきまでのペースだとなんとか間に合うか?」
『でも、その後の最終ゴールの制限時間には間に合わないんじゃ・・・』
「ここからは地図を見る限りほとんど下りだから大丈夫かな?」
『あと20kmも歩けると思えねぇよ・・・』
「さっきも同じこと思いながら、なんだかんだで8kmは歩いてきたよ?」
『ぶっちゃけ帰りてぇ。帰って休みてぇ・・・』
「じゃあとりあえず歩こうか。駅に行くにしてももう少し歩く必要があるし。」
『うむ、そうしよう・・・』


100mほど歩いて縦走ルートと駅へ分かれる分岐点へ到着。
「悪ぃ、やっぱ俺前に進みてぇわ。」
『おい!帰るんじゃねぇのかよ!』
「知らないね。君の声は聞きたくない。(先へ歩く)」
『(駅が遠ざかる)あぁ・・・そうか・・・お前はいつもそうやって自分を追い込むのだな』
「悪いね、これが自分なんだ。」
『・・・』

明日へ続く。