塵劫

今月の科学誌ニュートン」が非常に面白い。


宇宙創始の出来事に関する「インフレーション宇宙論」という記事が今月の特集なんですが、
想像の限界を遥かに凌駕する、既存の宇宙観を越えた理論に圧倒されっぱなしです。


簡単に掻い摘んで紹介してみます。
宇宙の始まりとして膾炙している「ビッグバン宇宙論」。
けれど、近年の天文観測による観測結果において、
このビッグバン理論では説明できないことがいくつか存在するのです。


それを上手く説明できる理論がこの「インフレーション宇宙論」なるものらしく。
なんでも、「ビッグバン」が起きるより前に、「インフレーション」なるものが発生して、
空間が急激に膨張するのだとか。
その膨張具合たるや、わずか(1億×1億)分の1秒間に、
原子より小さい空間が数十億光年になるという。


そうして出来上がったのが、今我々が認識している宇宙。
しかし、宇宙はこれだけじゃないというのだ。
理論上観測可能な宇宙の果ては137億光年の距離にあるらしいのだけれど、
その外側には、同じようにインフレーションによって生じた別の宇宙が無数にあるらしい。


さらに、とある宇宙理論モデルによると、
別の宇宙ではインフレーション終わることなく永久に続いていると考えられるとかなんとか。
(1億×1億)分の1秒間に原子レベルの粒が宇宙空間になるような膨張が、
宇宙創始の瞬間から現在まで続いているというのですよ。
我々の存在する宇宙なんてそれに比べれば塵もいいところ。
いや、塵なんて言葉を使ってもまだ大きすぎるぐらいに我々の存在する宇宙はあまりにも小さい。


途方も無いスケールの話なんですが、
このインフレーションによる膨張具合を数的に表すとどうなるかちょっと興味わいたんで、
強引に計算してみました。いや、ホント出鱈目なんですが。(ぉ


まず、(1億×1億)分の1秒間に原子レベルの粒が宇宙空間ほどの大きさになるということなので、
10^(-16)秒間に、空間の半径が10^(-11)mから10^(22)mに伸びたことにします。
つまり、10^(-16)秒間に空間の半径が33桁増えるのです。
じゃあ、10^(-16)秒×10秒=10^(-15)秒経過したら、空間の半径は330桁増える。
同様に10^(-14)秒経過したら、3300桁増える。
つまり1秒経過したら空間の半径が33×(10^16)=33京(京は兆の上の単位)桁増える。
念を押しますが、33京倍になるんじゃないですよ。これだと21桁増えるだけ。
そうじゃなくて、10の33京乗倍になるんです。33京桁です。たった1秒で。


これが、宇宙誕生の瞬間から現在まで(仮に138億年として)続いているとすると
(60×60×24×365×138×(10^8))秒もの間に、毎秒33京桁ずつ増え続けてるわけですから、
今の全宇宙の半径は約1320×1京×1京桁の数(m)にもなるんですねぇ。
全然わかりません!


アホな計算ですんません。まったく意味が無いですね。(ぉ
とにかく、どのぐらい途方もないことなのかちょっと知りたかっただけなんで。


まぁ、これはあくまで宇宙論の1つだし、それが必ず正しいってわけじゃないけど、
とにかくこういう考えもあるってのはすごく楽しくてわくわくさせられました。


興味を持った人は、ウチのヘボ解説なんかじゃなくて是非雑誌を見て感嘆してください。(ぉ