戦慄

家に帰った。


玄関を出てすぐのところに狭い台所がある。
その台所の床、流し台、コンロなどに調理器具が散在していた。
なにかの事件を思わせるような光景だった。


一瞬、目を疑った。なんなんだ、これは?
当然、朝に家を出るときはこんなことにはなってなかった。
誰かが家に侵入して、荒らされたのだろうか?
そういえば窓の鍵はかけてなかったが・・・


と、落ちているものを眺めているうちにその共通点に気が付いた。
台所の壁にかけてある網カゴに置いてあった調理器具だけが散在している・・・
ふと壁を見ると、網カゴがなくなっている。
いや、よく見ると流し台に落ちていた。
なぜ網カゴが落ちているんだ・・・


網カゴがもともとあった壁を見るとそこには網カゴをぶら下げていたフックがある。
・・・ん?よく見たらフックが折れている!
長期間に渡り網カゴを支えてきたフックだが、プラスチック製だったため限界がきたのだろう。
今まで一年以上支え続けてきたものが、何かきっかけがあるわけでもなく、
突然折れてしまうというのは、ちょっと理解に苦しむけれど。


というわけで、解決解決。
たまにはこんなサスペンスがあっても良いもんだ。